短歌を詠みます。
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避けられる事故なら避けたかったもう視界の端からめくられている
過ぎ去った蜜月をまだ食んでいる君の頭を後ろから抱く
なぜ首はこうも無防備美しい喉、喉仏、声が聞きたい
私だけが聞いた一単語のためにあなたが使った器官を思う
心臓をひとなでされるときめきが苦しいあなたは在るだけなのに
ねえテレビ見てないでしょう?
「俺のもの」
安寧をマンネリと呼びおとしめた途端すぱっと切れる指先
今日も穏やかな横顔何ひとつ奪わないくれない乱れない顔
すり抜ける視線あなたが見ない火が燃えてこんなにわたし逆立つ
大丈夫私はずっと正気だし君とのことも大事にできる
この日なたにとどまったまま不可逆の光を見つめる嘘でも生きる
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「かばん」2016年5月号・特別作品
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