短歌を詠みます。
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ずるずるの長いカーディガンはおる日々扁桃腺はゆるく腫れてる
来る者は拒むあなたが目をかける女の子はみな眩しい日なた
切ったとか切らないだとかどうだっていいじゃんあなたかわいいんだから
櫛ひとつ落ちて振り向きざまの爪 私も誰かに憎まれている
チョコレート・フォンデュ浸かって知る世界未知の黒さにじわり溺れる
食べたなら残らないけどチョコレートこれはあなたの食道通る
裏側をゆけよ血液揺らめきをあの薄い目はあっさり悟る
首もとのけものが熱い息切らせコロシアムへと向かう冬の夜
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「かばん」2012年2月号掲載作
来る者は拒むあなたが目をかける女の子はみな眩しい日なた
切ったとか切らないだとかどうだっていいじゃんあなたかわいいんだから
櫛ひとつ落ちて振り向きざまの爪 私も誰かに憎まれている
チョコレート・フォンデュ浸かって知る世界未知の黒さにじわり溺れる
食べたなら残らないけどチョコレートこれはあなたの食道通る
裏側をゆけよ血液揺らめきをあの薄い目はあっさり悟る
首もとのけものが熱い息切らせコロシアムへと向かう冬の夜
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「かばん」2012年2月号掲載作
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昔我に虚数を教えしくちびるで今妹にくちづけるひと
(「かばん」2012年1月号新春題詠 お題「妹の恋人」)
メタボとは無縁の君が座る時わずかにたるむおなかにさわる
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月22日投稿作)
あと2枚めくればあなたとさようなら制服ひらり駆け抜けてゆく
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月8日投稿作)
(「かばん」2012年1月号新春題詠 お題「妹の恋人」)
メタボとは無縁の君が座る時わずかにたるむおなかにさわる
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月22日投稿作)
あと2枚めくればあなたとさようなら制服ひらり駆け抜けてゆく
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月8日投稿作)
朝ぼらけクリームゼリーに流し込むオレンジソースの決意表明
眼前にひたりと目玉 後悔というもの手酷く教えてください
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「かばん」2012年1月号掲載作
眼前にひたりと目玉 後悔というもの手酷く教えてください
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「かばん」2012年1月号掲載作
カヴァリエという名の筆記具指先で踊らせるまだ少年の君
触れられないあの頬にパラレルワールドの私がたやすく口づけをする
閉じようとしている扉の内側と外側どっちにいたら助かる?
鍵をかけることにしました思い入れは私のものであなたのじゃない
天啓に眉ひそめれば月近く蔦の絡まる金網の上
トンネルのオレンジの色同じ色染まってふたり標本になる
敗因は好きになったことルームランナーはルームから出てはいけない
水はけの良いさよならをした後でそっと如雨露に水を溜めてる
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「かばん」2011年12月号掲載作
如才ない肩すかしに怒る我を眺める君はいつも先勝【せんしょう】
人さらいうようよしてるのに私には目もくれやしない友引の夕
わざとメールせずに電源を切って寝る結局夢中で泣いて先負【さきまけ】
くだらない発作を抑えるためだけに靴と鞄をおろす仏滅
来ないままふと目をやると大安の赤字が大きく揺れるカレンダー
火の元もわからぬままに煙だけ充満している赤口の夜
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「かばん」2011年11月号掲載作