短歌を詠みます。
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最初からむしばまれている好いものは悪いたとえばクリームソーダ
あけたての柔軟剤の威力にて君の鼻先くすぐりにゆく
手に入れたものは大抵持て余すイミテーションで満たされる部屋
イヤホンの細いケーブル君の首絡みつきそうあやういきれい
高架下電車の音におびえれば「猫だったときなでてくれたね」
キャラクターものの靴下の裏っかわみたいな君のぐちゃぐちゃを見た
目を閉じた顔を見ている美容師に睫毛を切られながら口づけ
少女とは陶酔/拒絶を繰り返す生き物明日はこの人を飼う
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「かばん」2012年4月号掲載作
あけたての柔軟剤の威力にて君の鼻先くすぐりにゆく
手に入れたものは大抵持て余すイミテーションで満たされる部屋
イヤホンの細いケーブル君の首絡みつきそうあやういきれい
高架下電車の音におびえれば「猫だったときなでてくれたね」
キャラクターものの靴下の裏っかわみたいな君のぐちゃぐちゃを見た
目を閉じた顔を見ている美容師に睫毛を切られながら口づけ
少女とは陶酔/拒絶を繰り返す生き物明日はこの人を飼う
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「かばん」2012年4月号掲載作
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駆血帯巻きながら目を見つめられわたしはふくれる先の先まで
おふざけが嫌いなわたしをたちまちに道化師にする舌圧子が来る
レントゲン写真をすっとなぞられて徐々にざわつく肋骨の中
錠剤を服用するごと定刻に決まった言葉を押し出す指よ
先生が書いたきれいな肺の図を媒介として呼吸する我
細胞の組織標本染められた病変部位は覚えのある目
白妙の衣をばっとはだければ臓器はガラスの中にて動く
熱を持つ左上腕今ならば異物を異物と思えるだろう
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「かばん」2012年3月号掲載作
おふざけが嫌いなわたしをたちまちに道化師にする舌圧子が来る
レントゲン写真をすっとなぞられて徐々にざわつく肋骨の中
錠剤を服用するごと定刻に決まった言葉を押し出す指よ
先生が書いたきれいな肺の図を媒介として呼吸する我
細胞の組織標本染められた病変部位は覚えのある目
白妙の衣をばっとはだければ臓器はガラスの中にて動く
熱を持つ左上腕今ならば異物を異物と思えるだろう
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「かばん」2012年3月号掲載作
ずるずるの長いカーディガンはおる日々扁桃腺はゆるく腫れてる
来る者は拒むあなたが目をかける女の子はみな眩しい日なた
切ったとか切らないだとかどうだっていいじゃんあなたかわいいんだから
櫛ひとつ落ちて振り向きざまの爪 私も誰かに憎まれている
チョコレート・フォンデュ浸かって知る世界未知の黒さにじわり溺れる
食べたなら残らないけどチョコレートこれはあなたの食道通る
裏側をゆけよ血液揺らめきをあの薄い目はあっさり悟る
首もとのけものが熱い息切らせコロシアムへと向かう冬の夜
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「かばん」2012年2月号掲載作
来る者は拒むあなたが目をかける女の子はみな眩しい日なた
切ったとか切らないだとかどうだっていいじゃんあなたかわいいんだから
櫛ひとつ落ちて振り向きざまの爪 私も誰かに憎まれている
チョコレート・フォンデュ浸かって知る世界未知の黒さにじわり溺れる
食べたなら残らないけどチョコレートこれはあなたの食道通る
裏側をゆけよ血液揺らめきをあの薄い目はあっさり悟る
首もとのけものが熱い息切らせコロシアムへと向かう冬の夜
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「かばん」2012年2月号掲載作
昔我に虚数を教えしくちびるで今妹にくちづけるひと
(「かばん」2012年1月号新春題詠 お題「妹の恋人」)
メタボとは無縁の君が座る時わずかにたるむおなかにさわる
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月22日投稿作)
あと2枚めくればあなたとさようなら制服ひらり駆け抜けてゆく
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月8日投稿作)
(「かばん」2012年1月号新春題詠 お題「妹の恋人」)
メタボとは無縁の君が座る時わずかにたるむおなかにさわる
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月22日投稿作)
あと2枚めくればあなたとさようなら制服ひらり駆け抜けてゆく
(NHKラジオ「夜はぷちぷちケータイ短歌」2012年1月8日投稿作)
朝ぼらけクリームゼリーに流し込むオレンジソースの決意表明
眼前にひたりと目玉 後悔というもの手酷く教えてください
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「かばん」2012年1月号掲載作
眼前にひたりと目玉 後悔というもの手酷く教えてください
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「かばん」2012年1月号掲載作