短歌を詠みます。
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Tシャツをたおやかに着る されなかったことがらばかり思ってくらす
気まぐれな彼の瞳は刻々と色をかえゆく今は群青
唐草の線がくろぐろ伸びてきて神経系ごと絡めとられる
好きなだけ踏みつけている足元をごらん、悪意の垂直移動
電光が点で構成されること思い違いが加速してゆく
満月に照準合わせるクレーンの骨格 君が差し伸べる腕
うやうやと日傘をひらく死にやすい生きものだった過去が横切る
おまじないをかけると端だけ消えますよあと3秒で指を鳴らします
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「かばん」2013年6月号
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「かばん」2013年6月号
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バラバラのスローな願い毛糸玉つくろいながら時計を見てる
見つめてもコーヒーに砂糖は入らない私は自力でおまえをかせぐ
春の日のケーキはあまい焼け焦げたこころにひそむ臼歯で食べる
いちまいの疑念を喉にはりつけて話した 君の頬がやぶけた
心拍が押し寄せてくる 消音にならないおもいまなざし、ばれる
よどみなど知らない部屋で最初から持ってたみたいな顔して待った
「私はね、くもるものならみんな好き」 閉ざした日々が留め置かれる庭
触れてきたものはこの身のどこかしら流れる 折り重なってゆく川
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「かばん」2013年5月号
見つめてもコーヒーに砂糖は入らない私は自力でおまえをかせぐ
春の日のケーキはあまい焼け焦げたこころにひそむ臼歯で食べる
いちまいの疑念を喉にはりつけて話した 君の頬がやぶけた
心拍が押し寄せてくる 消音にならないおもいまなざし、ばれる
よどみなど知らない部屋で最初から持ってたみたいな顔して待った
「私はね、くもるものならみんな好き」
触れてきたものはこの身のどこかしら流れる 折り重なってゆく川
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「かばん」2013年5月号
消えていくたぐいのものだまた今度会おう今度と言ってるうちに
あきらめの形は受話器なめらかにほそった腕をさすりつつ見る
少しずつ切り取ったのを渡される君のことばは小花柄だね
爪 どこで割れたのだろう 赤色は私のかわりに傷ついて咲く
生ハムの透き通った肉ちぎる口いつかあなたの牙に遭いたい
薄闇が明るい 疲れの内訳は仕事8割・私2割ね
手袋は音をたてないこの頬にふれる黒へとすべて吸われる
この先のカーブでうまくやり過ごす君をおもえばねじれる体
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「かばん」2013年4月号
あきらめの形は受話器なめらかにほそった腕をさすりつつ見る
少しずつ切り取ったのを渡される君のことばは小花柄だね
爪 どこで割れたのだろう 赤色は私のかわりに傷ついて咲く
生ハムの透き通った肉ちぎる口いつかあなたの牙に遭いたい
薄闇が明るい 疲れの内訳は仕事8割・私2割ね
手袋は音をたてないこの頬にふれる黒へとすべて吸われる
この先のカーブでうまくやり過ごす君をおもえばねじれる体
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「かばん」2013年4月号
かつぜつのよくない舌に触れながら見知らぬ星の言葉をおもう
一筋の切れ目がそのまま眼になって知ってるとっくに捕らわれてい る
争いも結婚もしないと言いのけて笑うおまえは完全な異性
どの光にも意味がある世界中のあなたを知るためしつらえる地図
あいはにくしみ暮れかかるテーブルでカップの中の紅茶が燃える
感情も思考も見えているでしょう静寂という音の中では
もう二度と踊らぬヒールで音高く壊れるための豪遊へゆく
及ばない光ばかりを知る指だ触れれば理想論もとろける
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「かばん」2013年3月号
一筋の切れ目がそのまま眼になって知ってるとっくに捕らわれてい
争いも結婚もしないと言いのけて笑うおまえは完全な異性
どの光にも意味がある世界中のあなたを知るためしつらえる地図
あいはにくしみ暮れかかるテーブルでカップの中の紅茶が燃える
感情も思考も見えているでしょう静寂という音の中では
もう二度と踊らぬヒールで音高く壊れるための豪遊へゆく
及ばない光ばかりを知る指だ触れれば理想論もとろける
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「かばん」2013年3月号
ペン先をゆがませながらしたたらす筆跡わたしは青ではじまる
これは君の空、ベランダに囲われた視界が私の通信手段
呼んでないものがくる日は君の名をとなえる 10金みたいなちから
腕時計をかたりと外す今きざむ時間は誰にも知られたくない
喉笛を狙える位置にとめられたフォークの鋭利にしばし見とれる
くったりと寝入った君をなでながら小春の午後をゆっくり食べる
夢でみた色を見つける 世の中の触れられるまで眠るものたち
どの道を進んで生きても同じこと私目がけて降ってくる雨
息も悪も恐れも恋も燃え上がる心という字、あれは火なのだ
燃えるもの君より多く持ちたくて夜明け静かに細胞をとぐ
床に差す光にやわく手をひたし次はさわれぬものに生まれる
呼吸まで閉じ込めておく副題をつけてこのままページを閉じる
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「かばん」2013年2月号 特別作品
これは君の空、ベランダに囲われた視界が私の通信手段
呼んでないものがくる日は君の名をとなえる 10金みたいなちから
腕時計をかたりと外す今きざむ時間は誰にも知られたくない
喉笛を狙える位置にとめられたフォークの鋭利にしばし見とれる
くったりと寝入った君をなでながら小春の午後をゆっくり食べる
夢でみた色を見つける 世の中の触れられるまで眠るものたち
どの道を進んで生きても同じこと私目がけて降ってくる雨
息も悪も恐れも恋も燃え上がる心という字、あれは火なのだ
燃えるもの君より多く持ちたくて夜明け静かに細胞をとぐ
床に差す光にやわく手をひたし次はさわれぬものに生まれる
呼吸まで閉じ込めておく副題をつけてこのままページを閉じる
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「かばん」2013年2月号 特別作品